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LegalTechの経緯と現状

連載「リーガルテック入門」の資料を掲載しています。
適宜に補充作業しています。


▼第6回: 「電子契約(1)新民法下での電子契約」

電子契約の現状と今後について考えてみた。

 法的な合意の方式は自由に選択できる、という大原則を確認して、
 ただ、法令で書式等が必要とされることがあり、
 それが近時の法律で電子でも可能となっていて、例外(紙媒体の書面が必要など)は政府の調査で明示されている、
 という現状を整理した。
 そして、暗号など先進の技術に依っている電子契約は、
 従来とは異なる信頼の担保が必要になっているのではないかと結論付けた。



▼第5回: 「できる!法律調査。リーガル・リサーチ入門(2)判例その他」

ネットでできる日本の判例の調査についてまとめた。
 ■まずはここから→裁判所の「裁判例情報」http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search2?reload=1
 ■他は有料のコンテンツ
  ・判例秘書、D1-Law、TKCローライブラリー、Westlaw JAPANなど



▼第4回: 「できる!法律調査。リーガル・リサーチ入門(1)法令」

ネットでできる日本法の調査、とくにパブリックなソースをまとめた。
 ■現行法令を調べるなら→e-Gov法令検索 http://www.e-gov.go.jp/law/
 ■法令の公布を調べるなら→官報 https://kanpou.npb.go.jp/
 ■立法の過程を調べるなら→国立国会図書館「日本法令索引」 http://www.e-gov.go.jp/law/
 ■裁判所規則を調べるなら→裁判所サイト http://www.courts.go.jp/kisokusyu/
 ■条約を調べるなら→外務省「条約データ検索」 https://www3.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/index.php
 ■法令の英語訳を調べるなら→法務省「日本法令外国語訳データベースシステム」 http://www.japaneselawtranslation.go.jp/?re=01
 ■衆議院規則を調べるなら→衆議院サイト http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-rules.htm
 ■参議院規則を調べるなら→参議院サイト http://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/houki/kisoku.html
 
今回の記事、イーガブについて書いた(ただ、私自身は、模範六法をいつもデスクに置いているが)。IT化やデジタル化は一般論として必要性が認識されていても必ずしも推進されない。当時の現場の空気感を知ることはできないが、霞が関の女性有志の声がひとつの機動力になって、法令の標準仕様の策定とデジタル化作業が推進されたようだ。現場を知る人は現場の声を上げなければならない。
有料の法律情報データベースについてはほとんど触れなかったので(第一法規法情報総合データベースの法令検索は秀逸)、これらについては次回判例編で詳述の予定。


▼第3回: 「アメリカ全判例のデータベースが新たに登場」

2018年10月29日に開設されたCaselaw Access Projectの経緯・利用方法・今後について。

 ■経緯もしくはCaselaw Access Projectに至る小史
1988年:アメリカ連邦裁判所のPACER (Public Access to Court Electronic Records) が、図書館等の端末から裁判記録へのアクセスを可能にする。
    実費としての利用料、1ページ8セント(当時。現在10セント)。
1992年:コーネル大学the Legal Information Institute設立。Free Access to Law Movementの起源。
2001年:PACER、ウエブに移行。
     その後利用者数は増加し続け、年間の利用料収入は約1億5000万ドルに達する(FreeLawProject資料)。
    個別の情報提供にコストは発生しておらず、この収益は違法である(E-Govermnent Act of 2002 SEC.205違反〉との主張がある。
2007年:Carl Malamudが設立したPublic.Resource.Orgが判例の収集を始める。
    2008年には、集まった寄付金で紙媒体の判例集を購入し、そのデータをウエブに掲載。
    The PACER Recycling Project(PACERが試験的に17の図書館で実施していた無料判例アクセスサービスでデータを集め、その情報を公開)もゲリラ的に実施。
    この判例収集により、多くの裁判文書に社会保障番号やシークレットサービス職員の名前など、裁判所の規則で削除されるべき個人に関する情報がそのまま記載されていることが明らかになる。これらは裁判所に報告され、多くは改善された。
2008年7月:アーロン・スワーツら「ゲリラ・オープンアクセス・マニュフェスト」公表。
    9月:PACERの試験的無料判例アクセスサービスが停止。
    スワーツによって、PACERのセキュリティが脅かされた(computer intrusion)として、FBIの捜査がなされる(不起訴)。
2009年:プリンストンとハーバードがRECAP(PACERの逆つづり)を作成。PACERの情報をダウンロードする時に情報共有できるシステム。
2010年:FreeLawProjectのコアプロジェクトとしてCourtListener公開。裁判所ウエブ情報と寄せられたデータを公開。
2011年:Public.Resource.OrgとFastcaseによるRECOP(the Report of Current Opinions)が、州と連邦のネット公開判例を収集公開。
2012年:Ravel Law設立。
2015年:Caselaw Access Projectが始まる。
2018年:Caselaw Access Projectが公開される。

 ■利用方法 2019年3月現在ではリーガルテック入門の記事に記載通りだったのだが、わかりにくいという声が多かったのか、その後、4月には仕様が変わりかなり使いやすくなった。
 個別判例の検索が、トップページのDiveInのSearchをクリックして、検索対象に関する情報を入れるという、2ステップ、たいへんなシンプルな仕様に変更になった。
 最初、自分自身で使い方に戸惑ったので記事にしたのだが、この操作仕様以外は変わっていないようなので、この記事は記事として楽しんでいただきたい。

 ■今後
 Caselaw Access Projectは、現在の1日500件制限を2024年3月までに解除する。
 新判例の追加は随時、また、PDFデータ等も掲載される見込みで、データ量も増加してゆく模様だ。
 そうなれば、個別判例の確認等が、費用をかけずに確実に行えるにとどまらない、多様な判例分析が可能になる。
 Lexis AdvanceのRavel Viewのようなビジュアル解析は、今後の判例分析のスタンダードになるのだろう。
 そして、たしかに巨大プラットフォームに比べれば圧倒的に少ないデータだが、法は国家のOSで判例法の分析は国の基幹に直接影響を及ぼす力すら持つ。      
 AaronSwartzは、独自に入手した多くの判例とレビューを分析することで、法律調査の資金提供者と都合の良い結論の関係性が明らかにしていたという。
 Caselaw Access ProjectはSwartzが手にした以上の判例データを誰もが保有できる環境を作るのだ。
 DoNotPayを作ったJoshua Browderのような才能がここでどんなことをするのか、想像もつかない。



▼第2回:「裁判手続等のIT化」はなぜ今はじまるのか?

 ■「裁判手続等のIT化」は内閣が進めてきたプロジェクトで、これまでの経緯は次のとおり。
・2013年6月14日 閣議決定「日本再興戦略」:2020年までに、世界銀行レポート「Doing Business」(企業の活動のしやすさ世界ランキング)の先進国中3位を達成することを目標として設定
・2017年6月9日 閣議決定「未来投資戦略2017」:世銀3位を実現するためのタスクとして、裁判手続等のIT化を推進する方策を速やかに検討し結論を得ることとされる
・2018年3月30日 裁判手続等のIT化検討会「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ」:「未来投資戦略2017」に応えて、提出・事件管理・法廷の3つのe(電子化)の実現を提示
・2018年6月18日 閣議決定「未来投資戦略2018」:裁判手続等のIT化の実現をめざし、取組み実施
・2018年7月24日から、以上の議論の流れをうけて公益社団法人商事法務研究会が「民事裁判手続等IT化研究会」を継続的に開催している。


▼第1回:「これから法律が改正されて本格化する、リーガルテックとは」

The LexisNexis Timeline:LexisNexisがオンライン・リーガル・リサーチ30年の記録として作成した、1945年~2003年の年表。詳細で資料性が高い。
PACER(Public Access to Court Electronic Records):2001年に裁判記録の閲覧・ダウンロードを開始した裁判所運営サイト。誰でも利用できるが、PDF1ページに10セントと費用がかかる。この収益は年間およそ150億円で、必要経費をはるかに超えた暴利であり、判例法にアクセスする権利を不当に制限しているのではと問題になっている。
LegalZoom などDIY型リーガルテックが、2001年以降サービスを開始している。
TinyLaw:2012年設立のShakeが2014年に提案した、DIY型リーガルテック・サービスの市場概念。CtoCで極小規模であるが、シェアリング・エコノミの普及とともに大量の需要が喚起されている、と説明されている。
DoNotPay:2016年、Joshua BrowderがリリースしたDIY型リーガルテック・サービス。行政への書面を作成することで、駐車違反の反則金を免れられるという利便性にとどまらない、社会的インパクトを弱冠17歳の青年が巻き起こしたとして、注目された。



…ってなこと書いてます。
ご覧いただき有難うございます。