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LegalTech

連載「リーガルテック入門」の資料を掲載しています。
適宜に補充作業中です。


▼第1回:「これから法律が改正されて本格化する、リーガルテックとは」

The LexisNexis Timeline:LexisNexisがオンライン・リーガル・リサーチ30年の記録として作成した、1945年~2003年の年表。詳細で資料性が高い。
PACER(Public Access to Court Electronic Records):2001年に裁判記録の閲覧・ダウンロードを開始した裁判所運営サイト。誰でも利用できるが、PDF1ページに10セントと費用がかかる。この収益は年間およそ150億円で、必要経費をはるかに超えた暴利であり、判例法にアクセスする権利を不当に制限しているのではと問題になっている。
LegalZoom などDIY型リーガルテックが、2001年以降サービスを開始している。
TinyLaw:2012年設立のShakeが2014年に提案した、DIY型リーガルテック・サービスの市場概念。CtoCで極小規模であるが、シェアリング・エコノミの普及とともに大量の需要が喚起されている、と説明されている。
DoNotPay:2016年、Joshua BrowderがリリースしたDIY型リーガルテック・サービス。行政への書面を作成することで、駐車違反の反則金を免れられるという利便性にとどまらない、社会的インパクトを弱冠17歳の青年が巻き起こしたとして、注目された。 


▼第2回:「裁判手続等のIT化」はなぜ今はじまるのか?

 ■「裁判手続等のIT化」は内閣が進めてきたプロジェクトで、これまでの経緯は次のとおり。
・2013年6月14日 閣議決定「日本再興戦略」:2020年までに、世界銀行レポート「Doing Business」(企業の活動のしやすさ世界ランキング)の先進国中3位を達成することを目標として設定
・2017年6月9日 閣議決定「未来投資戦略2017」:世銀3位を実現するためのタスクとして、裁判手続等のIT化を推進する方策を速やかに検討し結論を得ることとされる
・2018年3月30日 裁判手続等のIT化検討会「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ」:「未来投資戦略2017」に応えて、提出・事件管理・法廷の3つのe(電子化)の実現を提示
・2018年6月18日 閣議決定「未来投資戦略2018」:裁判手続等のIT化の実現をめざし、取組み実施
・2018年7月24日から、以上の議論の流れをうけて公益社団法人商事法務研究会が「民事裁判手続等IT化研究会」を継続的に開催している。


▼第3回: 「アメリカ全判例のデータベースが新たに登場」

2018年10月29日に開設されたCaselaw Access Projectの経緯・利用方法・今後について。

 ■経緯もしくはCaselaw Access Projectに至る小史
1988年:アメリカ連邦裁判所のPACER (Public Access to Court Electronic Records) が、図書館等の端末から裁判記録へのアクセスを可能にする。
    実費としての利用料、1ページ8セント(当時。現在10セント)。
1992年:コーネル大学the Legal Information Institute設立。Free Access to Law Movementの起源。
2001年:PACER、ウエブに移行。
     その後利用者数は増加し続け、年間の利用料収入は約1億5000万ドルに達する(FreeLawProject資料)。
    個別の情報提供にコストは発生しておらず、この収益は違法である(E-Govermnent Act of 2002 SEC.205違反〉との主張がある。
2007年:Carl Malamudが設立したPublic.Resource.Orgが判例の収集を始める。
    2008年には、集まった寄付金で紙媒体の判例集を購入し、そのデータをウエブに掲載。
    The PACER Recycling Project(PACERが試験的に17の図書館で実施していた無料判例アクセスサービスでデータを集め、その情報を公開)もゲリラ的に実施。
    この判例収集により、多くの裁判文書に社会保障番号やシークレットサービス職員の名前など、裁判所の規則で削除されるべき個人に関する情報がそのまま記載されていることが明らかになる。これらは裁判所に報告され、多くは改善された。
2008年7月:アーロン・スワーツら「ゲリラ・オープンアクセス・マニュフェスト」公表。
    9月:PACERの試験的無料判例アクセスサービスが停止。
    スワーツによって、PACERのセキュリティが脅かされた(computer intrusion)として、FBIの捜査がなされる(不起訴)。
2009年:プリンストンとハーバードがRECAP(PACERの逆つづり)を作成。PACERの情報をダウンロードする時に情報共有できるシステム。
2010年:FreeLawProjectのコアプロジェクトとしてCourtListener公開。裁判所ウエブ情報と寄せられたデータを公開。
2011年:Public.Resource.OrgとFastcaseによるRECOP(the Report of Current Opinions)が、州と連邦のネット公開判例を収集公開。
2012年:Ravel Law設立。
2015年:Caselaw Access Projectが始まる。
2018年:Caselaw Access Projectが公開される。

 ■利用方法 =リーガルテック入門の記事に記載通りですが、さらに詳しい情報を今後掲載予定です。

 ■今後
 Caselaw Access Projectは、現在の1日500件制限を2024年3月までに解除する。
 新判例の追加は随時、また、PDFデータ等も掲載される見込みで、データ量も増加してゆく模様だ。
 そうなれば、個別判例の確認等が、費用をかけずに確実に行えるにとどまらない、多様な判例分析が可能になる。
 Lexis AdvanceのRavel Viewのようなビジュアル解析は、今後の判例分析のスタンダードになるのだろう。
 そして、たしかに巨大プラットフォームに比べれば圧倒的に少ないデータだが、法は国家のOSで判例法の分析は国の基幹に直接影響を及ぼす力すら持つ。      
 AaronSwartzは、独自に入手した多くの判例とレビューを分析することで、法律調査の資金提供者と都合の良い結論の関係性が明らかにしていたという。
 Caselaw Access ProjectはSwartzが手にした以上の判例データを誰もが保有できる環境を作るのだ。
 DoNotPayを作ったJoshua Browderのような才能がここでどんなことをするのか、想像もつかない。